日記

日々の出来事を書いてます。

虫のいいこと

清らかな香り漂う梅花の候、お元気にお過ごしでしょうか。

さて、本日は、故松下幸之助氏の著者から

拝読した文章を引用させていただきます。

『道をひらく』という文庫本で、虫のいいこと、という文章です。

「人間はとかく虫のいいことを考えがちで、雨が降っても自分だけはぬれないようなことを、日常平気で考えている場合が多い。別に虫のいいことを考えるのがいけないというのではないが、虫のいいことを考えるためには、それ相応の心がまえが必要なのである。

 雨が降ったらだれでもぬれる。これは自然の理である。しかし傘をさせばぬれないでもおられる。これは自然の理に順応した姿である。素直な姿である。

 だから、自然の理をよく見きわめて、これに順応する心がまえを持ったうえならば、どんなに虫のいいことを考えてもかまわないけれど、傘も持たないで自分だけはぬれないような虫のいいことを考えているならば、やがてはどこかでつまずく。つまずいてもかまわないというのなら何もいうことはないけれど、人はとかく、つまずいたその原因を、他人に押し付けて自分も他人も不愉快になる場合が多いから、やはり虫のいいことは、なるべく考えないほうがいい。

 おたがいに忙しい。忙しいけれど、ときには静かに、自分の言動を自然の理に照らして、はたして虫のいいことを考えていないかどうかを反省してみたいものである。」